2024年、明けましておめでとうございます。
2024年、明けましておめでとうございます。とは言うものの、年の始めから大きな天災や事故のニュースが相次いで素直に新年の始まりを祝うことができない状況が続いています。私自身、北陸地方の皆様とお仕事をさせていただくことがあり、面倒見が良く、熱い心を持つ職人の皆様が多い地域だと感じて刺激を受けてきましたので、何か少しでも恩返しができないかなと思案しています。被災地の一日も早い復興を祈っております。
2024年は先例のない時代に
激動の中で始まった2024年ですが、今年はデジタルマーケティングの業界にとっても先例のない時代に突入すると言って良いでしょう。欧州のデータ保護法GDPRの施行に伴うCookieの規制が、先行するAppleのSafariブラウザ、iOS、MacOSだけでなく、GoogleのChromeブラウザにも波及します。既にGoogleは二度の延長をしているので、さすがに三度目の延長はできないと見て間違いないでしょう。
この影響で、Cookieを活用した「リマーケティング」などを始めとする「オーディエンスターゲティング」(ウェブサイトの閲覧履歴に基づく興味・関心などによるターゲティング)や、「コンバージョン」(広告を使って促したいアクション)の計測が、完全にはできなくなってくることが想定されます。Googleとしては、「Privacy Sandbox」というプロジェクトの中で、プライバシーを保護した形での代替技術の開発を進めていますが、具体的な公開の道筋などはまだ発表されていません。また、コンバージョンの計測に関しては「拡張コンバージョン」などハッシュ化(暗号化)したEメールアドレスを基に補完する仕組みを提供していますが、改正個人情報保護法を遵守するためにはユーザーからの同意を得る必要があり、プライバシーポリシーの改訂も含めてハードルは高く、法務面、技術面での専門知識がないと導入が難しいでしょう。まさに、2024年はデジタルマーケティング業界においてはグレートリセットの年だと言えます。
元々は、Cookieを活用したオーディエンスターゲティングの技術は、2007年に「DoubleClick」という会社を買収して得たもので、Googleが独自で保有する技術ではありませんでした。そういった意味で、個人的にはGDPR等による規制はGoogleに対する規制ではなく、DoubleClickへの規制だな、と受け止めています。2007年以前の時代に戻る、と考えるとわかりやすいかもしれません。
どこかで惰性的に仕事をするようになっていた
そんな激動の2024年ではありますが、個人的にも2024年は40歳を迎える節目の年となります。なんとなく、人生の折り返し点的なことを意識するようになりまして、この先の人生をどのように過ごすべきかを漠然と考えるようになりました。
2008年にデジタルマーケティングの業界に飛び込んでから、目の前の仕事に一生懸命取り組んできたつもりではありますが、同じ業界にずっと身を置いているせいか、どこかで惰性的に仕事をしてしまったり、サラリーマンならではの諦念に呑まれている自分に対して居心地の悪さを感じていました。極端に言えば、命を燃やして仕事ができていない、と感じていました。1日8時間、1日の三分の一、人生の三分の一を費やす仕事の時間をこんな風に生きてしまって良いのか、と自問自答する日々でした。
人生の折返しを意識した中で、自然と「生きている間にこの世の中に爪痕を残して死んでいきたい」という思いが強くなっていることに気が付きました。2023年は生まれたばかりの第一子に全力で向き合って過ごしたことも強く影響しているかもしれません。1分1秒を納得して生きていきたい。そう強く思うようになりました。
40歳、ここから先はけもの道を進む
これまでの人生は、諸先輩方が作ってくださった舗装された道路の中を必死についていくという心境でした。人は易きに流れやすい生き物なので、私自身、ここから先の人生も誰かにお膳立てしてもらった舗装された高速道路を進みたい、と考えたこともあります。ただ、そう思う度に、まだ自分の持ってる引き出しをこの世の中に出し尽くしていないのではないか、という思いが持ち上がってきました。どうやらこの年齢になっても自分のポテンシャルを諦めきれていないようです。
奇しくも、デジタルマーケティングの世界もグレートリセット。これまでの高速道路がすべて荒野に戻ります。公私ともに、けもの道を自分の力で切り開いて、1分1秒を納得して、自分の持っている引き出しを全部出し尽くして生きて行こうと思います。
本年もどうぞ、宜しくお願い致します。